みなさんこんにちは、
3月27日にアラブ首長国連邦で開催された
ドバイワールドカップデーはご覧になりましたか?
ドバイワールドカップデーとは、
1日に国際重賞や国際G1が集約されて開催される日のことで
UAEのドバイにあるメイダン競馬場で開催されます。
ドバイといえば、裕福でお金を持っているというイメージがありますが
競馬も例にもれず、ドバイワールドカップデーに開催されるレースは
賞金が高く、世界中から強豪馬が集まります。
重賞の格はG1とG2で一番賞金が高額なのは、
ドバイワールドカップで、総額賞金が約14億1500万!
日本で一番賞金が高額なジャパンカップでも約7億5000万なので
約2倍の差がありますね。
さらに、ドバイワールドカップデーで開催されるレースは招待レースなので、馬の輸送費や関係者の交通費、滞在費は全て主催持ちという好待遇です!
2022年のワールドカップデーは9レース行われ、
このうち日本馬は8レースに出走しました。
残りの1レースはアラブ種限定なので、実質全てのレースに出走しています。
ダートが5レース、芝が4レースで
メインレースのワールドカップはダートです。
JRAでは芝レースのG1が圧倒的に多く、競走馬のレベルも
世界標準でみると芝を走る
馬は強いけど、ダート馬はまだまだ…というのが通説でした。
が、しかし今年のレースでは
サラブレッドが走るダートレース4レース中、
2レースを勝利し、惜しくも逃してしまった2レースも2着と3着とそれぞれ好成績を残しました!
そして芝レースでは、4レース中3レースを勝つというこちらも好成績で、
芝ダート合わせると8レース中5レースを勝利するという
とてつもない好成績を残しました!
この結果を受けて、国内はもちろん海外からも
日本競馬を称賛する声が相次ぎ、アメリカのブラッドホースという
最も古い競馬情報誌は、「世界を席巻する日本競馬の高波がまたもや到来した」と特集を組みました。
ここでいうまたもやとは、実はドバイワールドカップデーが開催される1ヶ月前、サウジアラビアで国際G1デーがあったのですが、
そこでも日本馬が4勝とめざましい記録を残しており、
今回のドバイでの結果がフロックではないことを証明しています。
芝ダート問わず、海外での勝利が増えてきた現状を鑑みると、
間違いなく日本競馬のレベルは底上げされてきたと言えるのではないのでしょうか。
近い将来、ダート最高峰のレース、ブリーダーズカップや芝最高峰の
凱旋門賞を制する日がやってくると思います。
ここまでがドバイワールドカップデーにおける日本馬の成績の回顧でした。
最後に、簡単にではありますが、
ドバイ競馬の歴史について触れておきたいと思います。
ドバイに初めて競馬場が作られたのは1969年のことです。
当時、ドバイはまだイギリスの保護領(UAEの独立は1971年)でしたが、イギリスに留学して競馬に魅了されたマクトゥーム殿下(9代目ドバイ首長)とモハメド殿下(10代目現ドバイ首長)を中心とするマクトゥーム家(ドバイの首長家)の主導で、現在ではドバイ国際空港の敷地となっているあたりに競馬場が建設されました。
ただ、ここでの競馬はあくまで非公式なもので、空港の拡張に伴って1982年に閉鎖されました。
ドバイで初めて正式な規則の下で競馬が行われたのは1981年のことです。ラクダによるレースが行われていたダートコースを借用してのものだった。この頃はマクトゥーム家の人々が馬主として次々にイギリスやアイルランドで勝利を挙げ、生産にも乗り出した時期であり、ドバイ競馬はマクトゥーム家の競馬熱の高まりとともにスタートしたといえます。
1984年には現在のメイダン競馬場がオープンするまでドバイを代表する競馬場として機能していたナドアルシバ競馬場が前述のラクダ競走用のコースの近くにオープンしました。当初は、レースではなく、調教のためだけに用いられていましたが、1988年に800人収容のグランドスタンドが設えられるなど徐々に競馬場としての体裁が整えられ、UAEの競馬統括機関であるエミレーツ競馬協会、日本でいうJRAが発足した1991年から本格的に競馬が開催されました。
そして、ドバイの王族で世界有数のオーナーブリーダーでもあるシェイク・モハメド氏が当時の世界最高賞金レースだったアメリカのブリーダーズカップ・クラシックを超える賞金額のレースとして考案し、
1995年にドバイワールドカップが開催されました。
UAEが国教をイスラム教としており、イスラム教は賭博を禁止しているため
UAE内では馬券は発売されません。その代わり、賞金や賞品が出る参加費無料の「コンペティション」と呼ばれる予想ゲームがあり、現地では親しまれています。
以上がドバイ競馬の概要でした!
ギャンブルが禁止の国で、競馬を開催するって不思議ですね~
通常、レースの賞金は競馬の統括団体が収益の中から拠出しますが、
馬券の売上がないため、全て王族の関係者が出しているようです。
そんなことしてなんのメリットがあるの?と言いたくなりますが、
ドバイは石油大国から観光大国へとシフトしており、
競馬に関しても世界中から超一流馬を集め、そこで競い合う様を提供することで訪問者を受け入れることを目指しています。
したがって自らが賞金を拠出しても、観光客がこの地を訪れ見返りに払う費用で充分に採算の見合う目論見なのでしょう。多分。
少し話が逸れましたが、日本馬のレベルは世界標準で見ても上がっているよ、そしてドバイ競馬はこんな感じだよというお話でした。
ドバイ、いつか行ってみたいですね!
参照
JRA UAE競馬の概要 https://www.jra.go.jp/keiba/overseas/country/uae/
Comments