日本全国、お祭りは数え切れないほどありますが
その中でも馬が主役のお祭りを4つピックアップしてみました。
初めは有名どころから。
福島県南相馬市で開催される相馬野馬追祭りです。
こちらは、約1000年前から相馬氏の祖といわれている平将門が下総国(千葉県北西部)に野馬を放ち、敵兵に見立てて軍事訓練を行ったのが始まりと伝えられ、相馬氏が現在の南相馬市に移ってからも、
代々の領主がこの行事を伝承。捕まえた馬を神馬としてを奉納し、
相馬地方の平和と安寧を祈る神事として、怠ることなく野馬追が行われてきました。
現在では、毎年7月の最終土曜日・日曜日・月曜日に開催されています。
祭りの様子は時代劇さながらで、タイムスリップした錯覚にも陥ります。
一連の行事の中で、ひときわ注目を集める
甲冑競馬と神旗争奪戦は、両方とも日曜日に行われます。
次に紹介するのは、岩手県滝沢市のチャグチャグ馬コです。
毎年6月に行われる「蒼前様」を信仰とするお祭で、
100頭ほどの馬が、滝沢市の蒼前神社から盛岡市の八幡宮まで
14キロの道のりを行進するお祭です。
馬のあでやかな飾り付けとたくさんの鈴が特徴で、
歩くたびにチャグチャグと鳴る鈴の音が名称の由来といわれています。
馬の飾りは、大名行列に使われた「小荷駄装束」に
端を発するといわれ、色とりどりの装束に身を包んだ馬が行進する様子は圧巻です。
岩手県の南部の古い家屋では、南部曲がりやと呼ばれる
馬と共に暮らす家があります。
モータリゼーションが起こるまでは、馬は農業に欠かせない存在で
チャグチャグ馬コの祭は、農民による馬体安全祈願の蒼前詣が起源といわれています。
ちなみに心安らぐ、チャグチャグと鳴る鈴の音は、
「残したい”日本の音風景100選”」に選定されています。
次に紹介するのは、
三重県桑名市で行われる多度大社 上げ馬神事です。
この神事は、南北朝時代から行われている神事で、馬を奉納する行事が祭へと発展したと考えられています。馬が上がった数や順番によって、その年の豊凶を占ったりもします。
16、17歳の青年騎手が、頭に花笠など華麗な武者姿で馬に乗り、約2.5mの崖を一気に駆け上がるというもので、人馬一体となった迫力や緊張感は見る人の心を奪います。
上げ馬神事は野馬追や、チャグチャグ馬コと比べて
神事としての色が濃い行事となっているので、
乗り子と呼ばれる騎手は大変な栄誉を果たす代わりに
1ヵ月の厳しい騎乗練習に臨みます。
短い期間で馬を乗りこなせるようにしなくてはならないため、
練習は厳しさを極めるようです。
上げ馬神事も、三重県の無形民俗文化財に登録されており、
毎年5月4日と5日に開催されています。
最後に紹介するのは、
京都府京都市にある上賀茂神社で開催される
葵祭の中の行事の一つ、賀茂競馬(かもくらべうま)です。
この神事は字のごとく、競馬形式で
左方(さかた)、右方(うかた)に分かれた馬が
2頭ずつ5番勝負(計10頭)で競走し、
左方が勝てばその年の国が実り、豊かになるとされます。
平安時代、五穀豊穣(ほうじょう)、天下泰平の祈願のため宮中で行われていた競馬会を移したのが始まりで、その歴史は970年以上にのぼります。
賀茂競馬は毎年5月5日に開催され、
京都市の登録無形民俗文化財に指定されています。
以上が今回ご紹介した4つの馬が主役のお祭りでした。
今回のブログで紹介できなかった馬が関わるお祭り一例
鉄砲祭り(埼玉県)
鈴懸け馬(鹿児島県)
上岡観音(馬頭観音)絵馬市(埼玉県)
若一王子神社流鏑馬(長野県)
木曽の花馬(長野県)
五宮神社花馬祭(長野県)
伊豆神社競馬(静岡県)
阿蘇神社田の実り祭神事(熊本県)
藤崎八幡宮例大祭(熊本県)
八代神社妙見祭(熊本県)
藤森神社駈馬神事(京都府)
上賀茂神社競馬(京都府)
県神社大幣神事(京都府)
加茂神社お供馬(愛媛県)
高浜おまんと祭り(愛知県)
梅酒盛神事(愛知県)
住吉神社馬駈け神事(大阪府)
気多神社おいで祭り(石川県)
まだまだありますが、本当にいたるところで開催されているので
ご紹介しきれません;;
探せば、全国各地で馬が関わるお祭りは開催されているので
気になったお祭りがあれば、見に行くのはいかがでしょうか?
Comments